現地の造成がすんで、いよいよぼくたちのグラウンド作業がはじまりました。
まず、することといえば、石拾いですね。
これが野球場づくりの定番、初歩の初歩。
ゲームにたとえれば、試合開始前のウォーミングアップみたいなものです。
幸いグラウンドには、ひと抱えもある岩からツブテまで、ありとあらゆる石が無尽蔵に転がってましたから作業のネタに困ることはありまんでした。(笑
拾っても拾っても尽きせぬ石ころたち。
気が遠くなるような時間のなかで、それでも確実にことは進んで行く。
不思議な充足感がそこにはありました。
でも、しんどい作業だけではへこたれてしまいます。
なによりも、自由に使える野球場と同じ広さのスペースを目の前にして
指をくわえているはずもなく
自然にグラブとボールを持って
白球と戯れはじめました。
まだ石ころが埋まってデコボコのグラウンド。
ボールはあっちに転がりこっちに弾んでと
収拾はつきません。
つい先日鬼籍に入った平尾誠二氏が
楕円のラグビーボールを評していっていましたが
そのボールの奔放、無軌道ぶりが
「自由」を感じさてくれたと。
ぼくたちも、あのとき遊んだグラウンドで
「自由」という感覚を満喫していたかもしれません。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」に影響されて
野球場をつくりはじめたぼくたちは
今度は自分たちの物語りをつくることになりました。
「野球場をつくる」
この冒険ともいえる目的を成しとげるためです。
ケビン・コスナーに書いた手紙も
そんなエピソードのひとつでした。
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