2017年5月1日月曜日

失うものを得た九里の焦り?

4月29日の試合
広島 000031023-9
横浜 200012X-10

勝 久保1勝 負 九里2勝2敗 

本塁打 (広島)西川1号 鈴木5号 

    (横浜)ロペス4号 エリアン1号 石川1号


ベイスターズとの3連戦。
最終ゲームにしてようやく、思わぬ展開ではあったが拮抗した試合となった。

序盤で『ベイスターズ圧勝!』という流れになってしまったが、カープが驚異的な粘り腰で1点差まで猛追。
ベイスターズの関係諸氏は、さぞや肝を冷やしたことだろう。

9回のカープの猛攻を前に、なすすべなく顔面をこわばらせていたラミレス監督の表情が、それを如実に物語っていた。

それにしても序盤で7点差。しかも効果的な追加点を奪われながらも終盤まで諦めることなく集中していたカープナインのモチベーションの高さには感服する。

これもペナントレースの覇者という「成功体験」がもたらした財産というものだろうか。

                      ✱

しかし、結果は9対10でカープは惜敗。
序盤の大量失点がなんとも悔やまれる。

この試合でも失点の口火となったのは、また四球だった。

初回、三振とセンターフライで2アウトを取って、順調なすべりだしのように見えた九里投手。
しかし、ここで3番梶谷に1ストライクも取れずにストレートの四球を与えてしまう。

ここまでの敗戦でさんざん「四球→失点」の局面を見せつけられてきたのだから、「おいおい、またかい」と思うのが自然。
またその通りの展開になるのが不思議で、つづく4番筒香にヒットされて一、三塁になったところで九里が暴投して、まず1点。さらに5番ロペスにセンターの頭を越されるタイムリーを浴びて2点目を献上してしまった。

「きょうは、ちょっとやばそうね」

のっけから、そんな暗雲が横浜スタジアムに漂ってしまった。

そして3回に大量失点して暗雲は雷雲に変わってしまったのだが、そのきっかけが、こんどはトップバッターの桑原に与えた死球だった。

ここでも「死球→失点」は想定できるわけで、つづく石川にレフトに運ばれたあと、よほど梶谷が嫌いなのか、九里は梶谷に連続して四球を与えてしまった。

これでは敵に、みずからお膳を立ててやったようなもの。

よく「ノーアウト満塁は点にならない」といわれるが、さすがにこんなおいしいチャンスをベイスターズが逃すわけもなく、4番筒香タイムリーのあと、ロペスにグランドスラムを喫して5失点。
0対7になって、ゲームはこの時点で決まった、はずだった。

ところが、以下省略するが、6試合連続で4番に座った鈴木の2試合連続のホームランなどが飛び出し、カープが1点差まで追い上げるすさまじい試合に。

雷雲にいつからか晴れ間がのぞいて、大型連休初日の快晴の空の下で白熱のゲームが繰り広げられるたのだった。

これぞ「実力」と「勢い」のガチンコ勝負といったゲーム。ファン冥利につきるというものだろう。
ただ両チームの投手がピリッとしない「しまりのない乱打戦」だったことは否めず、間延びした展開だったことは惜しまれる。

                      ✱

先発の九里投手は、4回7失点で降板。結果からいうのもなんだが、どこかからだが重いような、メリハリのない投球ぶりだった。

ふがいない内容に、自分に腹がたったの気持ちもわかる。
ベンチにもどると、口惜しさのあまりグラブをベンチに投げつけていた。

「そんなことをしたのは、はじめて」だったらしいが、そういえば大量失点のきっかけとなった桑原に死球を与えたときも、「わざと当たったんじゃないか」と、らしくもなく抗議のような仕草も見せていた。

「どこか気持ちに焦りでもあるのだろうか」

こちらの思い過ごしかもしれないが、彼の投球の内容にも所作にもそんな印象が見て取れた。

九里投手が先発ローテーション投手として投げるのは今季がはじめてのことだ。
いままでとは肉体的にも精神的にも、かかる負荷は桁違いのはずだ。
その疲れがそろそろピークにきているのかもしれない。

いままでは「失うものはない」と無我夢中でマウンドにあがれた九里投手にも、先発ローテーションという「失いたくないもの」ができた。

それが、守りの気持ちを生んで消極的になり、結果を出せないことに必要以上に焦りを感じる原因になっているのかもしれない。

                      ✱

これでカープは、今季2度目のカード負け越し。
その間にタイガースが忍び足で背後に迫ってきて、ゲーム差は1となった。

ちなみにこの日行われたプロ野球6試合は、すべて1点差だった。
なんでも20年ぶりの珍事らしい。





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