2016年11月14日月曜日

トランプの裏の希望



前回はプロ野球のオーナーの成績表をつけてみました。

きょうは趣向を変えてプロ野球ならぬ、アメリカという国家のオーナーについて検討してみたく思います。
政治向きのことに興味のない方は、強烈なイレギュラーがいきますからトンネルでスルーしてください。(笑

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そもそもアメリカという国家のオーナーが大統領であるかが疑問ですが、そこはまたお遊び、こじつけということでご了解願います。

表向き世界最強の権力者といわれるアメリカの大統領ですが、じつはある支配勢力の膝下にあるという現実。これはよく知られたことです。

大統領とて彼らからみれば使用人。
したがって、これが自分たちの意にそわないようなことをしようとすれば排斥しようとするのは当然のことで、そのいい例がケネディ大統領の暗殺でしょう。

あるいは彼らが「お尻を舐めるのが好きなポチ」に面倒みさせている日本に目を向けてみれば、田中角栄や小沢一郎氏もしかり。
日本の国益に叶うこと、つまりアメリカ支配者の利益に反することをする政治家は、ことごとく潰されてきたのは悲しい日本近代史の一面です。(小沢氏は自由党でまた復活しそうですが)

彼らは国家の最高権力者であっても簡単に殺せるし、その真相は易々と隠蔽できる。それはメディアはもちろん、情報機関や司法や軍事をも大統領ではなく、その支配システムが管理しているからにほかなりません。

それが産軍複合体であるとかCFRだとかフリーメーソンだとかイルミナティーだとか、いろいろ語られてはいますが、とにかく巨額のマネーと暴力装置による支配権力が大統領の上にあることだけはたしかなこと。

そして、この従来からの権力構造がバックアップして大統領にするはずだったのがヒラリー・クリントンで、そのシステムの外の庶民の側から誕生したのがドナルド・トランプだったというのが今回の大統領選挙の構図だったわけです。

もちろん、これまでもトランプ的な候補者は何度も大統領選にチャレンジしてきました。
しかし残念ながら、これらの候補はことごとく枕を並べて討ち死にしてきました。

それは当然のことで、「大統領は国民でははなく支配権力が決めて来た」からです。

莫大な予算を投入してキャンペーンをし、広告を垂れ流して有権者を洗脳する。
つまり資金のある候補者しか勝てないシステムになっているのですから、だれを当選させるかは思うがまま。

それでもたまにブッシュのようなマヌケがヘマやらかしても、フロリダかどこかの選挙結果を改ざんしての不正選挙でごり押ししてしまうのですから、ホワイトハウスには彼らの使用人以外は入ることはできなかったわけです。

ところが今回の大統領選挙では、この原則が壊れてマズいことが起こってしまった。
それでメディアからは「ありえない」という半狂乱、断末魔の叫びがもれてきているということのようです。

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大統領選の投票日を前にして、在日のアメリカ人詩人がある討論番組で大統領選について語っていたことを思い出します。      
彼は選挙のためにわざわざアメリカに帰国して投票するんだと息巻いていたのですが、その彼がいってました。

「ヒラリーとアヒルだったら、ぼくはアヒルに入れますよ」と。

その昔、ドナルド・ダックというアヒルが主人公のアニメがありましたが、彼はそれにかけてトランプの方がヒラリーよりはまだましだといいたかったのかもしれません。
なんといっても選挙の結果がでるまでは、「トランプ支持」は公言しにくい雰囲気がありましたから。

でも、さすがに感性がフォースにつながっている詩人です。(いってることが本人にもよくわかりませんが、フォースからことばが降りてきました・笑)
彼が望んだようにヒラリーは落選してドナルド・トランプが大統領に選出されたわけです。

その詩人は「なぜクリントンはだめなのか?」と聞かれていっていました。

「ぼくたちはもう彼女が40年間してきたこと(悪事)を知ってますから」

たぶん巷間いわれてきた金融犯罪、そして周辺の関係者の不可解な連続死のことなんかを指していたのでしょう。

「ヒラリーを監獄へ」でしたっけ、結構うけてるキャッチがあるみたいですが、それがジョークではないレベルで語られているところに彼女の闇の深さを思わずにはいられません。

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トランプの勝利が決まってから、ようやく今回の大統領選のディテールとそれにつながる日米関係の一端が見えはじめました。

安倍政権がなぜ大統領選挙の前に、アメリカの参加が前提となっているTPPを強行採決するような滑稽なことをするはめになったのか?

いま国内でもっとも関心が高く、また、もっとも政治的な意味のないプロセスについての疑問がまず氷解しました。

大統領選の前から、ヒラリーもトランプも「TPPには反対する」と明言していたのですから、日本がこれを可決してもなんの意味もない。

ところが半狂乱になって、安倍政権はTPPを強行採決しました。

相手の金髪女は「ノーサンキュー」と断っているのに、ちたったらず(舌ったらず)のお坊ちゃんが勝手に婚姻届けに印鑑押して「ぼくちゃん印鑑おちたから結婚ちてくれるでちょ!」って、アホを絵に描いたような茶番です。

「バカなまねは、おやめなさい!」

世間は好意から、あるいは苦笑しながらそれをいさめているのに、世間知らずのお坊っちゃまはダダこねて強行してしまいました。

しかし、いくら「歴代最悪の総理」の評をたしかなものにしている御仁とはいえ、ここまでの失態、喜劇を演じたのには理由があるはずです。

その謎(ちょっと大げさかな)を説く鍵が、彼の訪米です。

彼は歴代の首相のなかでも「バラまき総理」といわれるほどよく外遊するほうですが、あのときも「安倍、ちょっと来い!」とヒラリーに呼びつけられたのか、「安倍くん、ちょっ行って来てくんない」と外務省あたりからお使いたのまれたのか、あわただしく訪米しています。

聞くところによると「外むちょうにだまされた」とご本人は激高しているらしいのですが、きっと外務省は「つぎはクリントンで決まってますから…」と因果をふくめてヒラリーとの密談に当たらせたのでしょう。

いまになってみれば、いかにも世間知らずのお坊っちゃまらしいマヌケぶりですが、その会談の席で安倍総理はヒラリーから「大統領就任後には必ずTPPに批准する」という言質をちょうだいしてきたのでしょう。

だからそれを信じて、安倍政権はTPPを強行採決したわけです。
まず日本が承認しておいてのち、鬼女ヒラリーがひらりと手のひらを返して承認する。
こんなシナリオが、あらかじめあったわけです。

ところが「ありえないこと」が起きて、トランプが勝ってしまった。
それでお粗末なシナリオが紙くずになって、お坊っちゃまカンカンというわけです。

まったく国のトップがこのていたらくなのは恥ずかしいかぎりですが、とりあえずはめでたくTPPにはストップがかかったわけで、僥倖といわざるをえません。

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今回の大統領選挙では、ヒラリー・クリントンとともにマスメディアも敗者となったという声しきりです。

いわく、
「さんざん垂れ流した世論調査がはずれた」とか、

「世論調査の誤りを見抜けなかった」とか。

しかし、それはまたメディアお得意の論点のすりかえ。
彼らが一敗地にまみれたのはそんな瑣末なところではありません。

「自分たちが世論をつくり(つまりねつ造して)、国民を洗脳することで思うがままの大統領を決める」

これまで当たり前のようにしてきたこと、できていた手法が通用しなかった。
自分たちがよりどころにしてきた力の源泉がすでに枯渇しはじめていたことを知らされることになった。
このことで彼らは敗者となったのです。

これはさすがにショックだったことでしょう。
マスメディアのアイデンティティ、支配者のためのプロパガンダ機能が失われたということなのですから。

いみじくもトランプはいっていました。
「ソーシャルメディアの勝利だ」と。

そう、既存のメディアがネットという新興メディアにとってかわられたということなのですから。

これは国民の側からいえば、彼らがメディアの誘導や洗脳にだまされなかった、ということでもある。
その意味では今回の米国大統領選挙は歴史的な大事件として記憶されることになるかもしれません。

トランプが大統領になって何が変わるのるか、どう変わるのかをいま世界は固唾をのんで見守っています。
しかしその前に、「トランプが大統領に選出された」ということは、すでに何かが変わってしまったていたことの結果だったともいえるわけです。

ひるがえって、わが日本。

ちょっと前の参院選を思い出してみましょう。

選挙の争点を検証したり、安保法制の是非についてまっとうに争点を論じるでもなく、連日のようにマスメディアは怪しげな世論調査を垂れ流しつづけました。

いわく「自公優勢」ってやつです。

そして、あてにもならない「自公優勢」の空念仏におどらされて、まんまと自公優勢の結果を招いてしまったおめでたい有権者。

「ねつ造された世論」を実現してしまったのはほかならぬ有権者であり、その結果として残念ながら世論調査は現実を反映したものとなってしまった。

トランプの品位をうんぬんする前に、私たち有権者はみずからの不明をはじるべきなのでしょう。

しかし、トランプはいいお手本を見せてくれました。示唆に富む選挙をしてくれた。

日本でもこれと同じ現象は起こりえる。
そのための地殻変動がすでに起こっているはずです。

それにしても、果たして日本にトランプがいるかどうか…。

と思いをはせて、浮かんだ顔がありました。
いましたいました、彼ならそんな候補になれそうです。

まっとうな正論をいっているのに「過激な議員」のレッテルを貼られてしまっているあの議員。
もうすでに「トランプ状態」です。(笑

彼なんかがひと暴れしてくれて、かしこい有権者がバックアップしたら意外に日本の支配体制なんて、ちょろいもんかも…。

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