「カ舞吼」
これが昨日のファン感謝デーでお披露目された来季のカープのキャッチフレーズだそうです。
やれやれ。
ようやく「真赤激!」の赤面ものの呪いから解放されると喜んでいたところに、またあらに呪いをかけられたような心境です。
このところずっと続いている『頓珍漢キャッチフレーズシリーズ』。
もうテキも後に引けなくなってきているようなので、たぶんまたハズすかスカすのではないかと妙な期待はあったのですが、その期待は見事にハズしませんでしたね。
「そもそも、なんて読むんだよ!」
とお怒りの貴兄、ぼくに振られても困るんです。
なんでも1文字目はカタカナの「カ」。
「カープらしく」のカだそうです。
で、ふた文字目は「カープらしく」舞うの「舞」を当てての「ぶ」。
そして最後が吼えながら戦う気概を示す「吼」。
これを「く」と読ませて「かぶく」だそうです。
「かぶく」
漢字を当てれば「傾く」。歌舞伎の語源ですね。
早い話が、この「かぶく」の当て字ということのようですが、ぱっと見、まず読める方はいないでしょうね。
読めないキャッチフレーズ
これは致命的だと思うのですが、テキも何年前かの「破天荒」から、すっかり開き直ってしまって常軌を逸してしまったのかもしれません。
だいたい「傾く」なんて言葉をチームのスローガンにするのはどうなんでしょうか。
こっちの頭が傾いてしまいそうです。
「かぶく」には、「他の意見を聞かず勝手な振る舞いをする」あるいは「はしゃぐ」という意味もあるようなので、鈴木誠也選手の「神ってる」を借りれば、最近ちょっと「かぶってる」球団ならではの感性でもあるのでしょうか。
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キャッチフレーズとしては、正直いただけません。
でも、この発想は面白いと思いました。
カープの選手を歌舞伎役者、あるいは歌舞伎の登場人物に見立てて隈取りしてみるというのはアリです。
これは贔屓の引き倒しかも知れませんが、個性派ぞろいのカープならハマりそうです。
と、ここまで書いてきて、ハタと気がつきました。
これはあくまでも憶測ですが、このキャッチフレーズ、ことばより先にこのアイディアありきだったんじゃないでしょうか。
来年のグッズ商戦をどうするかのミーティングの中で、商品部の若い社員が真赤激に頰を染めて提案したわけです。
「選手たちの似顔絵に隈取りさせて、そのTシャツを売ってみてはどうでしょうか?」
「おお、それは面白そうだ」
「仮名手本忠臣蔵に義経千本桜、きっと絵になりますよ」
「菅原伝授手習鑑はちょっと暗くて悲しすぎるが、暫(しばし)ありゃええで。討ち落とされた首がゴロンゴロン。グラウンドに転がったボールじゃ、ありゃ」
「……?」
「いいっすね、いいっすね。さしずめ団十郎は中崎ですかね、あのギョロ目で「ニラミ」はいけますって」
「義経は誠也で決まりですね。弁慶が新井!」
「ええで、ええで」
「決まりですね総統!」
「じゃ、キャッチフレーズもカブキじゃ。適当に当て字考えて作っとけや」
もしかしてこんなことだったのかもしれません。
そうでもないと、このキャッチフレーズの適当さ安易さが理解できないのです。
だけど、この『歌舞伎Tシャツ』、面白そう。
もしかして、もう出てたらすみません。(
ちなみにまだ商品化されてなくて「それ、いただき」なんてことになったら、ロイヤリティお願いしますね。(笑
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