2016年10月21日金曜日

最後のトライにエールを!

きのう10月20日。
スポーツ界の一大イベントともいえるプロ野球ドラフト会議の当日に、ラグビー界で一時代を築いた平尾誠二氏が死去した。

奇しくもこの日、1983年のウェールズ遠征でチームメイトだったメンバーが大阪に集まってもいたと知ったとき、「平尾は旅立ちの日を、みずから選んだのではないか」そんなことが頭をよぎった。

プロ野球の祭典であるオールスターゲームに合わせたかのように息を引き取り、その訃報でファンにお別れを告げて逝ってしまった津田恒美のように。

そういえば、きのうは10月20日。津田が逝去したのは1993年7月の20日。同じ月命日だ。
また忘れえぬ日が、ひとつふえてしまった。

闘病生活を知らなかったから、「平尾誠二死去」の訃報はあまりにも唐突だった。
現役時代そのままに華麗なステップを踏んで、あっという間に彼は生死のラインの向こうに走り去ってしまっていた。

アスリートでも屈強なラガーマンたち。
そのなかでも彼は図抜けた存在だった。

『ミスター・ラグビー』
それが平尾の代名詞だった。

その彼が、もっとも病や死からは遠いと思われた肉体が、あっけなく逝ってしまった。

享年53才。
「あまりにも早すぎる死」

3.11以降すっかり珍しくなくなってしまったこんな安易な表現で、彼の不在は語ったことにはなりそうもない。
ファンや関係者にとって彼の死は「ありえない死」であり、「あってはならない死」だった。

しかし、平尾は人生の決着をつける最後のトライを決めてしまった。
突然に軌道を変えてしまった楕円のボールを追って…。

そのトライにも、われわれはやはり拍手と喝采を贈るべきなのだろう。

「素晴らしいゲーム、そして人生をありがとう!」

君の華麗なステップを忘れない。




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