2017年5月31日水曜日

野球をプレイする環境の差

5月30日の試合
広島 000100013-5
西武 000000000-0

勝 薮田4勝1敗 負 野上4勝5


投手陣の台所事情から交流戦の緒戦という大事な試合で登板することになった薮田投手が、これ以上ない好投をみせてカープは白星発進した。

前の登板では先発野村投手のアクシデントで急遽スクランブル登板して好投。勝ち投手となっていたが、そのまま彼の代役として大役を果たした。

使い勝手のいい投手といっては失礼だが、どんな局面でも対応できる意外に器用な投手だ。
こんな投手がブルペンにいれば、ベンチはどれほど心強いことか。
家庭では孝行息子らしいが、まさにベンチの孝行息子といえそうだ。

それにしてもメットドームですか、名前だけでなく見た目もひどい球場になってしまったものだ。
竣工したときはオープンで開放的な球場で 、看板広告もほとんどなくて清潔な印象だった。
それがいまでは屋根でフタをして広告満載の、身もフタもない息苦しいばかりの球場になってしまった。

ゲームを観戦しながら、その内容よりも、こんな環境で野球をやらされている選手たちに同情するばかりだった。


その点、カープの選手たちはめぐまれている。

どうのこうのいっても、ズムスタ(この名前はいただけない)を本拠地にしていることが、いまカープが黄金期を迎えようとしている強さにつなかっていることはまちがいないだろう。



2017年5月29日月曜日

きのうの今日ですが…

5月28日の試合
広島 0000002001-3
讀賣 0010100000-2

勝 今村1勝1敗8セーブ 負 カミネロ2敗13セーブ

本塁打 エルドレッド13

6回までジャイアンツの田口に完璧に抑えられていたカープ打線が7回のワンチャンスをものにして同点にもちこみ、延長の10回にに突き放してジャイアンツを3タテして5連勝。対ジャイアンツ戦は初優勝の1975年以来の7連勝となった。

その7回の攻撃は3番丸が三振に倒れて1アウトから、4番鈴木が四球を選んだあとに飛び出した5番エルドレッドの2試合連続となる13号2ランホームランによるものだった。

これは結果論だが、もし前の試合と同じ打順で5番安部、6番エルドレッドであったら、安部のピッチャーゴロでゲッツーになっていて、この回の得点はなかった。

それを思うと、あえてこの試合で打順を組み変えてきた緒方監督の勝負勘恐るべしというしかない。
まさに“神ってる”。

この日タイガースがベイスターズに破れたため、カープは首位に返り咲いた。

                          ✱

采配に異を唱えたきのうの今日でお恥ずかしい限りだが、この試合の私的MVPは緒方孝市監督だ。




2017年5月28日日曜日

近視眼的に過ぎた九里投手の交替

5月27日の試合
広島 031302000-9
讀賣 000000000-0

勝 九里4勝4敗 負 宮国5

本塁打 エルドレッド12号

8回まで被安打3、無失点で抑えて来た九里投手を緒方監督は続投させずに交替した。

その判断は尊重したいし、ダッグアウトで九里投手に握手を求めて労をねぎらった配慮にも敬服した。

とはいえ、やはり九里初完封のチャンスの芽を摘んでしまったことには頭を傾げざるをえない。

緒方監督はその理由を「先発ローテーションの頭数が足りないなかで交流戦を迎えるわけで、先を見越さないと」と語っていて、いうまでもなくフィジカル面の疲労を考えてということだった。

先発投手の球数が次回登板にどれほど影響するのかは知らないが、よほどデリケートなものであることはわかる。
そのことを投手本人の体感とは別に、監督としての経験則として彼が認知しているということはあるだろう。

しかしこの降板は、監督の思わくとはちがって皮肉にも近視眼的な措置になってしまったように思えてならないのだ。

完封の機会というのはそれほどあるものではない。
『ミスター完投』と称された黒田博樹ですらシーズンに1、2回できるかどうかの難事業だ。
これから近いうちに九里投手にそのチャンスが訪れるかどうかはわからない。

もしかしたらシーズン中にはないかもしれず、九里投手は“未完封投手”としてシーズンを終える可能性はすくなくない。

その黒田博樹は「優勝を経験したことのない投手は一流とは認められない」と、FA権を行使して「優勝できるチーム」を求めてカープを去っていった。

優勝しているかどうかは、それほど投手本人にとって大きな意味を持っている。
だとすれば「完封したことすらない投手」が一流投手とは認められだろう。

『未完封投手』
周囲からはそう見られるだろうし、本人はいつまでも殻を破れないままだ。

ゲーム後にヒーローインタビューを受けていた九里投手。
あのとき「初完封おめでとうございます」とマイクを向けられていたら、すでに彼は投手として別物になっていただろう。
そう、「一流投手」と周囲から認められる投手になっていたはずだ。

緒方監督はペナントレースを大局的にとらえて「九里投手の体力を温存した」わけだが、それは逆に目先の利に走った采配だったように思う。

いまローテーションの頭数にこだわって九里投手をローテーションで投げさせつづけるのと、その九里に代えて『一流投手九里』を加えて戦うのとでは、投手陣の厚みはまったくちがうものになったのではないだろうか。

8回で降板させたメリットは、たった1回分のフィジカル面でのことでしかない。
もし続投させて九里投手が完封でもしていれば、これから先のペナントレースでの彼の投げっぷりはまったくかわったものになった可能性が高い。
堂々の『完封ピッチャー』として…。

そんなイメージが頭に浮かぶいま、やはりもったいない投手交替だったとしか思えない。

15安打で9得点の完封勝ち。対ジャイアンツ戦は22年ぶりという6連勝を飾った試合だったが、すこし後味に苦さが残った。

                         ✺

ということで、この試合の逆MVPは緒方監督。
というのは冗談で、残念な思いと同情をこめて私的MVPは九里亜蓮投手だ。




2017年5月27日土曜日

“キラー”誕生の予感?


5月26日の試合
広島 000103120-7
讀賣 000000110-2

勝 岡田5勝1敗 負 マイコラス4勝3敗

本塁打 菊池3号
久々のスタメン目線です。

6番ファーストに松山、レフトには野間が入って、新井とエルドレッドがベンチスタートとなった、いわば『純和風若ぶり打線』。

松山が2安打1打点。野間は結果が出なかったものの替った堂林が1安打1得点と、まずまずの成果があったといえるでしょうか。

どうせ野間に代えて堂林を出すのであれば、はじめから彼はファーストに入れてほしかったというのが個人的な趣味ではありますが。
野間の代打に堂林より、松山の方が脅威でしょうから。

それはさておき、この試合はなんといっても岡田投手の好投。これにつきますでしょう。

7回を投げて被安打6、失点1で勝ち投手となって、これでジャイアンツ戦はプロに入って負けなしの3連勝。
どうやら相性がいいみたいですね。

かつて王、長島時代のジャイアンツ戦には“ご褒美”がふんだんに出たとかで、それ目当てにはりきって勝ち星を積み上げた安仁屋宗八氏は、“ジャイアンツキラー”といわれていました。

実績でいえばまだまだですが、いずれこの称号が彼のものになるかもしれない。
そんな愉しみがひとつできました。

ということで、この試合の私的MVPは岡田明丈投手です。

2017年5月25日木曜日

備忘録として

5月24日の試合
東京 000000100-1
広島 10100202-6

勝 大瀬良2勝 負 石川4勝4

本塁打 鈴木9号


堂林が7番レフトで今季2度目のスタメン出場。
彼のレギュラースタメンが成立するようになれば、またカープにひとつ強さが加わるような気がするのだが。

その堂林、2打席目の4回裏にスワローズ先発の石川からレフト前にヒットして存在をアピール。

先発の大瀬良は6回を被安打3、与四球1、無失点と、好投して遅ればせながらの2勝目をあげ、首位タイガースとのゲーム差0.5に。

これでカープはビジターでドラゴンズに3連敗から一転してホームでスワローズに連勝。
内弁慶ぶりが際立ってきた感あり。

ホームでの熱狂的な応援が常態となった弊害とでもいうのだろうか、ホームとビジターでの戦いぶりの落差が顕著だ。

前日に腰の違和感で3回に降板した野村投手が出場選手登録抹消。

                        *

私的MVPは大瀬良大地投手



2017年5月24日水曜日

ファンの特権


5月23日の試合
東京 020000000-2
広島 01101000X-3

勝 薮田3勝1敗 負 ブキャナン2勝3敗 S今村0勝1敗8セーブ

ジョンソン投手の復帰にメドがたったと思った矢先、野村投手が腰に違和感を訴えて3回で降板するアクシデント。ローテの柱が順に痛んでいる。

これを前年の覇者に課せられた「試練」ととらえるのは、ファンのロマンチシズムというものだろうか。
とはいえ、その危機的状況を救った投手にヒーロー像を見るのはファンの特権というものだろう。

4回から緊急登板した薮田投手が6回までを被安打2、2奪三振、失点0に抑える好投でカープに勝利をもたらしたばかりか、前の試合の守乱から野村投手の降板へとつづいた嫌な流れを断ち切った。

そして7回には腰痛から復帰した中崎投手が、三者凡退に抑える好投を見せると、ジャクソン、今村の「とりあえず勝利の方程式」でカープが逃げ切った。

それにしても、腰を痛めて野村投手が降板した試合で、腰痛でリタイヤしていた中崎投手が復帰するかな。

「これも神様の悪戯かい?」と苦笑してみるのもまた、ファンの特権というものだろう。

ということで、この試合のヒーロー、私的MVPは薮田投手だ。

2017年5月22日月曜日

ばたばたはチームにも

5月21日の試合
広島 001000120-4
中日 10102012X-7

勝 吉見1勝4敗 負 福井1勝2敗 S田島1勝1敗11セーブ

本塁打 田中2号 ゲレーロ9号


シーズン開幕当初は、あきれるほど強かったカープが今、あきれるようなゲームをしている。

この試合で負け投手となった先発の福井投手は試合後に「ばたばたしてしまった」と反省の弁をのべたというが、それはここ最近のチーム自体にもいえそうだ。

どうもチームそのものが「ばたばたしている」印象だ。

この試合でもつまらない悪送球や守備の判断ミスがことごとく追撃ムードに水を差す失点につながった。

ついこの間のズムスタで、草野球まがいのドラゴンズのお粗末な守備に苦笑していたのが、攻守ところを変えて戦いの場をナゴヤドームに移した途端に立場が逆転してしまった。

グラウンドでばたばたしているせいか、チームのオーダーに落ち着きのなさが見て取れて仕方がない。

先発オーダーをつぎつぎに変えながら勝ちつづけていたときは、「いくつかのオプションを持って戦う」という首脳陣の考えがハマっていたように見えたが、菊池の戦列離脱あたりから、その結果がいつか「オーダーの落ち着きのなさ」に帰結してしまったように思えてならない。

結果論といわれればそれまでだし、まだ最終的な結果がでたわけではないが、それが正直な感慨だ。

新井選手をベンチにさげて4番にあげた鈴木が一本立ちした。
そのこと自体はめでたいことだが、それで新井のモチベーションがさがったように思えてならない。

このところの彼のプレイからは以前のような覇気が感じられないのだ。

「おれが引っ張らなくては」という気概のつっかえがはずれて、無意識に肩の荷を下ろしてしまったように見えてしかたがない。

たしかに鈴木選手は4番の責をまっとうしてあまりある数字を残してはいる。
しかし、それで去年の4番新井の代わりが務まっているかは疑問だ。

今シーズンにかぎっていえば、まだまだベテランの新井には引っ張ってもらわないといけないのではないか。

肉体的にはいうまでもないが、新井はモチベーションという精神的な限界とも戦っている。
首脳陣がこれをうまく引き出していけないようでは、この「オーダーの落ち着きのなさ」はいつまでも解消できないように思う。

これでカープは最下位ドラゴンズ相手に同一カード3連敗。
一寸先はわからないが、とりあえずは短いトンネルをみずから掘ってしまった。












2017年5月21日日曜日

菊池離脱に見る2017年のベナントレース“予感”

5月20日の試合
広島 000100000-1
中日 01000100X-2

勝 又吉3勝 負 九里3敗4敗 S田島1勝1敗10セーブ


菊池選手の名前が、ふたたびスタメンから消えた。
そしてカープはといえば先発九里投手の粘投空しく、攻守に精彩を欠いてドラゴンズに連敗した。

実は今シーズンがはじまる前、「今年のカープを占う」という企画である方とプライベートの対談をしていた。

広島市内のホテルのロビーでお茶をしながらというフランクな雑談のようなものだったのだが、それがモノになりそうだったら開幕前にテキストにまとめて『カープ学講座』で披露してみたいという腹づもりだった。

チーム力を客観的に評価するという専門的な視点からのものではなく、ファン感情をぶつけ合うようなものでもなく、選手たちの性格とか運勢的なところから占ってみようという“お遊び”。

選手たちも人間である以上、もてる技術や体力をそのまま発揮できるわけではないだろう。
もともと持っている性格や、そのときの感情やモチベーションの強弱、それらに少なからず影響を与えている運気というものにも左右されているはずだ。

あえていえば、グラウンド目線ではなく、見えない部分から今年のカープを占ってみようというアイディアだった。


しかし、残念ながら身内にごたごたがあって時間をとられてしまって、それは実現しなかった。

それでもそのときの対談の内容はずっと頭にあって、実際のカープの戦いぶりと照らし合わせて思い出しては、面白く味わったりもしている。

ああ、たしかにあの選手のトラウマはまだ解消されていないらしい。
某選手の性格は、こんなかたちで出ていたのか。

シーズンを追うごとに予感や予言を現実がなぞっているようで、驚きとともに甦らせたりしている昨今だ。

                         ✢

そんななかのひとつに菊池選手のことがあった。

実は菊池選手については「なんだかチームからいなくなりそうな胸騒ぎがする」、そんな予感めいた話がでていた。

そのときは、「いずれ近いうちにメジャーに行くか、よそに移籍するということじゃないか」ということで、話は落ち着いた。
菊池選手がずっとカープにいることは考え難いから、ということになったのだ。

ところが今、現実に菊池選手はグラウンドから消えた。
「体調不良」ということで、この試合でもベンチを温めることになった。

「いずれ移籍するのではないか」ではなく「体調不良でグラウンドから消えた」のだ。

予感というか、不安は的中してしまった。

ここまで菊池選手は4試合に休養し、ベンチを温めることになった。
その4試合に、カープはすべて負けているのだ。

予感は「一時的な離脱」というニュアンスではなく、「いなくなる」そんなイメージだったようだ。

もし現実にそうなれば、カープはとんたハンデを背負いながら戦っていかなければならないことになる。
菊池選手の代役で出場の西川選手は、三塁守備でまたエラーをしているし、二塁にまわった安部選手もチョンボをしてしまったが、彼らに限らずいかに選手層が厚いカープといえども菊池選手のかわりはいない。

もともと楽に戦えるペナントレースというのはないのだし、選手の離脱も当然折り込み済みだったろうが、それが菊池選手となると事態は深刻だ。

結論をいってしまえば、対談では「カープが負ける」という結果はでなかった。
たぶん今年も優勝するだろう、ということにはなった。

それが当たることを願う一方で、菊池選手の離脱予感に関しては、はずれることを祈りたい。









2017年5月20日土曜日

ビシエドの打球にみた“サンフレ”の怨念

5月19日の試合
広島 0000110010-3
中日 0101010002-5

勝 佐藤2勝 負 ジャクソン1敗1セーブ

本塁打 ゲレーロ8号 ビシエド7号

延長の10回、2アウト一塁。

ここでジャクソンが投じた初球スライダーを弾き返したドラゴンズのビシエド打球は、サヨナラの2ランホームランとなって左中間スタンドに吸い込まれた。

これで開幕から18試合連続無失点だったジャクソンが初失点。チームとしても5勝1分けと負けなしだったドラゴンズ戦での初黒星となった。
数字的にはまだ貸しの方が多いものの、こたえた1敗にはちがいない。

8回の登板が定番で、「つぎの回がある」場面では完璧に抑えてきたジャクソンだったが、「あとがない修羅場」での脆さを露呈した格好になった。

ところであの打席、ボックスに入ったビシエドのヘルメットには、広島に本店がある家電大手の「EDION」のロゴが鮮やかにあしらわれていた。

カープと戦うドラゴンズの選手のヘルメットに、このロゴがあることに奇妙な感慨を抱いていたところに、このホームランは飛びだした。

頭がすわったスイングで、このロゴを見せつけるように豪快に弾き返された打球。
その白球にはドラゴンズのこれまでの鬱憤が詰まっているように見えたのは当然としても、サンフレッチェサポーターの怨念もまじっているように見えたのは、ぼくだけだろうか。

                        ✺

いまズムスタを本拠地にしたカープは我が世を謳歌している。
連日満員の盛況。グッズは飛ぶように売れ、いったいどれほど儲かっているのか見当もつかない。

「そんなものファンごときが知らんでもええ」とばかりに、球団はその数字を秘密のベールに包み、その向こうで高笑いしている。
ズムスタの所有者である広島市(つまり広島市民ということだが)も、その身勝手を放任したまま恥じることがない。

ところがエディオンが大スポンサーであるサンフレッチェは、山奥の劣悪な環境ともいえる陸上競技場「エディオンスタジアム」に留め置かれたまま、動員に苦しんでいるのが実情だ。

カープがかつて本拠地にしていた広島市民球場の跡地に新スタジアムをと願いつづけながら、広島市と広島県、また財界やお歴々(お察しください・笑)の非合理的で理不尽で滑稽な抵抗にあって、そのプランは宙に浮いたままだ。

そんな苦境にあるサンフレッチェに対して、同じ広島を本拠地にしている球団であるカープは、まるで他人事のように沈黙を守っている。

否、それどころか球団トップは出来もしない場所につくればいいと、トンチンカンな発言すらしているお寒い状況だ。

何年もつづくこの不毛な議論と理不尽な対応。
行政をはじめとする“抵抗勢力”の茶番劇。

そんなものを長く目にしてきた一市民にすれば、あのビシエドの打球にサンフレ関係者やサボーターたちの怨念が乗り移っていたように見えたとしても、なんの不思議もないだろう。

もちろん独りよがりの錯覚にはちがいないのだが…。(笑




2017年5月19日金曜日

あらためて野球の醍醐味を

5月18日の試合
横浜 200000000-2
広島 42003000X-9

勝 中村祐2勝 負 平良1勝1

本塁打 丸7号 エルドレッド11号

カープ中村祐太、ベイスターズ平良拳太郎と、同じ高卒4年目のドラフト5位指名入団で、ともに今シーズンプロ初勝利をあげたばかりの両投手が先発した。

初回に失点とスタートまで同じだったが、ここからふたりの投手の軌跡がわかれていく。

からだが興奮して抑えがきかずボールをコントロールできなかった中村祐投手は、セットポジションからの投球にきりかえて軌道修正に成功。2回からは散発4安打で6回まで0を並べた。

いっぽうの平良投手は、カープの「強さ」という幻影に圧し潰されて2回にも失点を重ねて自滅していった。

たかが1勝、ただの1敗だが、このひとつの数字の意味がこれからのプロ野球人生に陰影あざないながらふたりについてまわることだろう。

プロ野球という特異な世界、せまい世界に選ばれて入ってくる選手たちには奇縁ともいえる関係性でつながっているケースが少なくない。
そしてそれは、一般のファンにはうかがい知れない不思議で濃密なものだ。

彼らの機縁、巡り合わせがグラウンドで交錯した時、ファンにあるサインを示しているとしか思えないゲームが演出されプレイが出現する。

平良投手はFAでジャイアンツに移籍した山口俊投手の人的補償でベイスターズに入団してきたばかり。
ここでチャンスを得て初勝利を手にしたのだったが、この移籍のタイミングを思うと、2017年5月18日にズムスタで、ふたりが同じマウンドを踏むことになる運命の糸のようなものが見えてくるようだ。

グラウンドの白球の行方ばかりでなく、その背景にあるこんな人間のドラマに思いをはせる。
これもプロ野球観戦の醍醐味だと改めて感じる。

「グラウンドには銭が埋まっている」

とは名将鶴岡一人の名言だが、その言葉を借りれば、

「グラウンドにはドラマがあふれている」








2017年5月18日木曜日

カープ“不思議な負け”とラミちゃんの“悲壮な表情”

5月17日の試合
横浜 0000010031-5
広島 0000004000-4

勝 山崎康1勝1敗2セーブ 負 一岡1勝2

本塁打 ウィーランド1号 田中1号

6回までまったく手も足も出なかったベイスターズのウィラードが交替したのに乗じて手にした7回4得点のビッグイニング。
その3点リードを持ち込んでの9回に安部にまさかの暴投、さらに鈴木のタイムリー後逸が重なっての守乱で同点にされ、その勢いのままベイスターズに押し切られての逆転負け。

「勝ちに不思議な勝ちはないが、負けに不思議な負けあり」

たしか野村克也氏がどこかの監督をしていた際の試合後のコメントだったと思うが、この試合がまさにそれだった。

不思議な負け方をカープはした。

もちろん敗因はいくつかあるのだろうが、それでもなお負けたことが釈然としないというか、そん印象だった。

先の阪神タイガースとの試合では、9点差をひっくり返されて歴史的な逆転負けを喫している。
この試合は中盤まで9点という大量リードがありながら、それをあっという間に吐き出してのもので“量的”にありえない負けだった。

しかしこの試合は、最後の最後は「鉄板の勝ち流れ」だったのが勝利目前に引っくり返されてのもので、やはり“不思議な負け”としかいいようがない。

マラソンでいえばゴールのトラックに入ったときには後続は誰もいなかったのに、テープを切る寸前に突然に抜かれてしまったようで、面食らうばかりだった。

株はやらないから適切なたとえかどうかはわからないが、9点差をひっくり返された前者の試合は、高止まりしていた優良銘柄が突然とんでもなく下落して全財産をすってしまった感じだったが、この試合は思いも寄らぬラッキーで突然あがった株が、売抜けようとした寸前に大暴落してスッてしまったような落胆とでもいおうか。

思わぬ僥倖で手にしかけていた勝利だっただけに、それがするりと逃げてしまったショックは大きい。
ことにその主役であった大瀬良投手の落胆、いかばかりかと同情を禁じ得ない。

                         ✱

不思議といえば不思議、皮肉といえば皮肉だが、この試合が終わるまではこの試合5番スタメン出場の安部選手のことを書こうと考えていた。
以前にもちょっとふれたが、好調のバッティングについてだ。

まだ規定打席には達していないが、打率.373。もし条件を満たしていれば堂々トップに躍り出る素晴らしい成績。

「守備のひと」とみられていた選手の突然の覚醒と目覚ましい活躍ぶりについて、「イチロー選手に似て来た風貌」に仮託して書いてみようと思っていたのだ。

その安部選手の「守備のミス」からはじまった思いもよらない逆転負けなのだから、なんともいいようのない複雑な思いを、いま味わっている。

                         ✱

これでベイスターズには何度煮え湯を飲まされたのだろうか。

ふがいない投手陣を簡単に打ち崩し、守備のあたふたぶりを突いてビッグイニングをもらいながら、いつの間にか逆転をくらって負けている。
そんな試合をなんども目にしてきたような気がする。

試合のなかでラミレス監督がダッグアウトで見せる悲壮な表情からは、とても逆転などできそうもない雰囲気なのだが、なぜかひっくり返されてしまう。

「指揮官があんなに表情に出すのはどうなのか」と、いつも疑問に思っていたのだが、どうやらこれもカープ不思議な負けの原因のひとつなのではないかと思いはじめた。

「あのラミちゃんの悲壮な表情がくせ者なのではないか?」と。

だいたい指揮官が試合の流れに一喜一憂しては、ベンチが落ち着かない。
負け試合での悲壮な顔など、指揮官みずからが負けを認めるようなもので、決して出してはならないものだろう。

ところがラミレス監督の場合は、どうもちがうようだ。
あの顔を見て選手たちは、「ラミちゃんをなんとかしなくては」と奮起しているのではないか。

7回裏に投手の“継投ミス”でカープが4点取って大逆転したときには、そこまでしょげなくてもいいではないかと励ましたくなるほどラミちゃんは悲しそうな顔をしていた。

「そんな顔をしてたら、選手の士気にかかわるよ」

余裕でそんなことすら思っていた。

ところが試合結果は、ご覧の通り。

あの安部選手のミスを誘ったロペスの三塁強襲ゴロなど、勝利への執念と逆転への気迫が残っていなければ生まれないものだっただろう。

どうも、あのラミちゃんの悲しそうな顔が、期せずして選手にハッパをかけているのではないか。

不思議な負けには、不思議な伏線があったのではないか…。
ラミちゃんが悲しそうな顔をしたときは、要注意だ。(笑

                         ✱

これでカープは信じられない逆転負けと、負けてはいけない試合で不思議な負け方をした。
この2敗がペナントレースで大きな意味を持つことにならなければいいが、と願うばかりだ。

いっぽう首位を走るタイガース。
この日はドラゴンズ相手にしぶとく勝ち越して4連勝、ゲーム差は2・5に広がった。









2017年5月17日水曜日

前田智徳の“とものりアイ”

5月16日の試合
横浜 000010000-1
広島 00005005X-10

勝 野村3勝1敗 負 濱口2勝3


5回に試合が動き、勝負が決まったこの試合。

「0」を両翼に連ねて5回に「1」と「5」が縦に並んだスコアボードを将棋盤に見立てると、5五の中央地点で戦いがはじまったことになる。

序盤は先手のベイスターズ、後手のカープともに「0」を並べながら駒組をしていたが、5回になってベイスターズが先に仕掛けて「1」点をあげた。

これに対してカープが「5」点で応じ、いわゆるるこれが勝負手となってカープは“勝勢”になった。

三塁スタメンのペーニャの失着から、やらずもがなの1点を失ったカープ先発の野村だったが、

「(この回)最少失点で乗り切って、味方が逆転してくれた」結果の勝利だった。

この勝負。
将棋盤に見立てたスコアボードを逆から見ると、またちがった世界が見えてくる。

ベイスターズ先発の浜口投手にすれば、

「せっかく1点を先制してもらったのに、逆転されてしまった」結果の敗戦ということになる。

初回の3アウトから四球ひとつをはさんで5連続三振。4回までノーヒットとカープ打線をパーフェクトに抑えていた浜口投手が、この5回に突然に四球を乱発して5失点の乱調におちいってしまった。

これも逆側から見ると、勝利投手の権利を得た途端に「勝ちを焦って」四球を連発して自滅してしまったという浜口投手の心理が、手に取るようにわかるだろう。

5月2日のジャイアンツ戦に破れて以降、1か月半も勝ち星から遠ざかっている焦り。
そんな心理状態が、この棋譜というかスコアから見てとることができる。

                         ✺

将棋盤を相手側から見ることを“ひふみんアイ”という。

長い歴史の中でも、「礼節」を重んじる棋界では“お行儀が悪い”ということで、相手側にまわって将棋盤を眺めるということはタブーだった。

ところが、ある棋戦で1時間以上も読みに没頭した加藤一二三元名人が、ついこれをしてしまった。
するとそれまでまったく思いつかなかった絶妙手が見えてこの将棋に勝利した。

これに味をしめた加藤九段がルーティンのようにするようになってから、この“ひふみんアイ”は棋界でも市民権を得るようになった。

そのとき浮かんだ手が、この試合でも勝負の回となった「5五」への歩だったらしい。


いまでは他の棋士も相手が中座しているときにそっと将棋盤を回り込んで、“ひふみんアイ”で盤上を眺めるシーンはよく目にするようになった。
また棋戦の中継のカメラなどでは、当たり前のようにこれが使われるようになってもいる。

たしかに、これをやると景色はまったくちがって見える。
相手の“読み”までが見えてくるのだ。

                         ✺

話をこの試合にもどそう。

カープが1点失った5回は、ベイスターズにとっては好手となったが、それが浜口投手からすれば勝利へのプレッシャーにもなった悪手になってしまった。

つまりカープにとってみれば、ミスからの失点でポイントを奪われたが、それが逆に好手を生むきっかけになったのだ。

この試合の地上波中継で解説していた前田智徳氏がベイスターズの筒香選手の打席にまわるたびに、「注目して見てみたいですね」と視聴者にうながしていた。
不調の筒香選手が心配だ、と。

「相手チームの主砲が不調では見ていてもつまらないじゃないですか」とも。

これなども相手の側に立ってみる“ひふみんアイ”といえるだろう。
あえていえば“とものりアイ”か。

 

同じバッターとして、それもあるゾーンを超えたレベルの者同士として筒香選手の不振を見かねてのことだったのだろうが、ファンにもその視線はあってしかるべきだろう。

相手チームの側からの視線も意識すれば、複眼的にゲームを愉しむこともできる。
逆にこの視点を忘れては、せっかくのゲームの醍醐味、面白さも半減してしまうだろう。

であってみれば、ズムスタのスタンドを真っ赤に染めて、のべつ幕なし我が物顔に鳴りものをかき鳴らし、大声を張り上げつづけている応援ぶりはどうなのかと、あらためて思わざるを得ない。

「みんなひとつになって」
といえば聞こえはいいが、中には「静かに球音を愉しみたい」ファンもいることだろう。

そのことに思いをいたせば、もう少し工夫があってもいいように思うのだ。

「ここはみなさん、投げて、打って、捕っての球音を愉しみましょう」

そんな時間をズムスタで演出できたら、きっと球界の応援史に残る伝説になるはずだが…。

                         ✺
野村投手は7回1失点ながら自責点は0。
防御率をあげて1.91とし、1位のジャイアンツ菅野投手に肉薄する2位になった。

チームは3連勝したが、他の将棋盤を見てみればタイガースもドラゴンズに大勝していてゲーム差は縮まらず1.5のまま。

“とものりアイ”ではないが、巨視的に見れば相手が強いほどペナントレースは面白い。

この試合の私的MVPは野村投手だ。


















2017年5月15日月曜日

『カープの4番』から『リーグの4番』に躍り出た鈴木誠也

5月14日の試合
讀賣 100000000-1
広島 0000223X-8

勝 九里3勝3敗 負 田口3勝1敗 

本塁打 鈴木8
先発の九里がジャイアンツの先頭バッター橋本に四球を与えてしまったことろで、「またかよ」の失望の声がもれたにちがいない。
そこから案の定、あっさり1失点してしまったのだから、失望は落胆に変わったことだろう。

なんといっても、この試合まで4試合結果を出せなかった九里。投げても投げても、失態をくりかえすばかりだった。
その“崩壊パターン”が四球からの失点だったのだから、試合開始早々のこの失点は印象が悪すぎた。

しかし中高の“ワル時代”から立ち直ったという九里は、この試合でも以後は立ち直って、そこからスコアボードに0を並べていった。

集中力を切らすことなく投げきった6回102球。四球は4を数えたが、ヒットは失点した初回以降は1本のみの被安打3。まさに粘投というにふさわしい内容だった。

6回にセカンド菊池のエラーから招いたピンチを、低めに集めて3アウトのすべてを内野ゴロで仕留めたように、ジャイアンツ打線を終始丁寧に料理していたのが印象的だった。

                        ✱

その6回表のピンチをしのいだところで、カープがジャイアンツを突き離した。

「ピンチの後にはチャンス」

野球の教科書に書いてある通りにきた流れ。
それをモノにして2得点したカープが勝利を引き寄せた。

得点は1対1の同点の場面。
菊池が三振に倒れて1アウトとなったが、つづく丸がこの日2本目のセンター前ヒット。
ここで4番の鈴木が、ジャイアンツ先発の田口が投げた5球目のスライダーをジャストミートしてレフトスタンドへ。

これが決勝点となってカープは快勝した。

この2点で「30」となって、鈴木は打点でリーグトップに。
カープの4番どころか、リーグの4番へと名乗りを挙げた。

五月晴れの陽光を浴びて、はしゃくでもなく悠然とダイヤモンドをまわる鈴木選手の姿を追いながら、人間が成長する早さと大きさとに驚嘆するばかりだった。

思えばはじめての“鈴木体験”は、彼が入団した2013シーズンの春のキャンプのことだった。
カープでストッパーとして一時代を築いた津田恒美投手が生まれ変わって、ふたたびマウンドにあがるという物語り「天国から来たストッパー!」を書くための取材で、あらためてキャンプの雰囲気をつかむために天福球場を訪れたときのことだった。

もちろん彼を意識していたわけではなく、強いていえばドラ1の高橋大樹選手がどんな選手なのかにすこし興味があった程度だった。

“お目当て”の高橋選手は結局どこにいるのかわからず、見ることはかなわなかったが、鈴木選手は意外なかたちで認識させられることになった。

たぶんキャンプ初日のことだったと思う。
内野の守備練習を見ていたときのことだ。

見慣れた体形、親しんだ動きで守備練習をしているユニフォームにまじって、ひとり見たことのない選手が目を引いた。

俊敏な動きでボールを捉え、跳ねるように送球をしている選手。
からだにはキレがあって、スピード感にあふれていた。

「いったい誰や?」

そう思って背番号を確認し、メンバー表で付き合わせてみて知ったのが「鈴木誠也」だった。

「この選手は、あがってくる」

そう確信した瞬間だった。

何度かキャンプは見学しているが、こんな感触を持った選手はそれほどはいない。
自分の中では新井貴浩選手くらいだろうか。
(鈴木選手のようなセンスではなく、そのど根性を目にしてのことだったが)

その新井選手と彼とが、「4番」という運命の交差点で行き違いになったのも不思議なめぐりあわせといえばいえそうだ。

それにしても、これほどのスピードで、ここまでの選手になるとは思いもしなかった。
あのとき目にした天賦の才能に、彼の日々の精進と努力があいまっての成果だろうが、感慨は深い。

とはいえ、まだまだ成長過程、発展途上。
はたしてどこまでの選手になるのか、興味がそそられるばかりだ。


継投した一岡、ジャクソン、今村の中継ぎ抑え陣も無失点で抑え、打っては12安打の猛攻でカープが快勝してジャイアンツに2連勝。ゲーム差を3とした。

この試合の私的MVPはヒロインどおりに鈴木誠也と九里亜蓮。







2017年5月14日日曜日

岡田投手の「力まず力む」美しさ

5月13日の試合
讀賣 000200000-2
広島 3000106X-11

勝 岡田4勝1敗 負 マイコラス4勝2敗 

本塁打 阿部7号 エルドレッド9号、10号


きれいにボールをとらえ、スムーズにバットを振り抜いてホームランを放ったスイングはどれも美しい。
(この試合で2発のホームランをスタンドに運んだエルドレッドのそれは、豪快過ぎて例外だが)

始動に入ったときのハマった感触。
ジャストミートの躍動感。
フォロースルーの完璧なフォルム。
……。

どのシーンを抜いても、ほれぼれするようなカットになるものだ。

それはゲームにもいえるようで、勝ちゲームの流れというのは美しくもある。
この試合に関しても随所にほれぼれするような場面がちりばめられていた。

スイングでいえば始動にあたる初回。

1アウト一、二塁のチャンスに鈴木選手がアウトローのボールを逆らわずに流し打つ軽打で先制タイムリー。
2アウトを取られてから10試合ぶりにスタメン復帰の松山選手がジャストミートしてセンター前に運んだ2点タイムリーヒット…。

よどみなく先制点を奪った攻撃ぶりには、ついうなってしまった。

3回にはエルドレッドが、規格外のホームランで追加点。

6回には先発の岡田投手にもヒットが生まれる連打でダメ押し。

8回には2アウトから2個の四球を足がかりに6点のビッグイニングをものにした。

まさに「美しい」としかいいようのない試合運びだった。

                       ✱

しかしなんといってもゲームの中で終始際立っていたのは、ゲームを支配していた先発岡田投手のフォームの美しさだった。

「力みなく力む」

本人はそう表現したらしいが、投球にもっとも効果的に伝わるからだの動き、フォームはやはり美しくなるものなのだろう。

岡田投手はけっしてスマートではない。どちらかといえば無骨な体形をしている。
それでもこの日の投球フォームは、美しいものだった。

ゆったりした始動から力をためて深く沈み込んだときの下半身の安定感が、その美しさを支えていた。

前回は筋肉の動きもスムーズではなかったからだろう、突然に乱れ始めたときはフォームもばらばらで、とても美しいものとはいえなかった。

同じ投手なのだから投球フォーム自体は同じなのだが、からだの内に秘めた筋肉の連動の仕方がフォームの印象として微妙に伝わってくるのだろうか。

ホームランの打撃フォームと同様に、いいピッチングをしたときのフォームも美しいものなのだ。

この試合での岡田投手は7回を投げて被安打5、ジャイアンツ4番の阿部には2ランホームランを喫したものの、それで崩れることもなく四球を2個に抑えて2失点でゲームをつくった。

それにしても9点差のリードをひっくり返された歴史的惨敗の失敗でめげるどころか、それをきっちり糧にしてて好投につなげてしまった岡田投手の気持ちの持っていき方。

これこそがもっとも美しいこころの営為だったといえるのかもしれない。

                     ✱


この試合の私的MVPは岡田明丈投手



ところで試合後のヒーローインタビューでは「口べた」な岡田選手に、スタンドのファンから「頑張れよー」の声援が飛んでいた。

それを見て、あの“伝説のヒーローインタビュー”を思い出した。
そのときの心境を当の本人が語っている。