2017年5月20日土曜日

ビシエドの打球にみた“サンフレ”の怨念

5月19日の試合
広島 0000110010-3
中日 0101010002-5

勝 佐藤2勝 負 ジャクソン1敗1セーブ

本塁打 ゲレーロ8号 ビシエド7号

延長の10回、2アウト一塁。

ここでジャクソンが投じた初球スライダーを弾き返したドラゴンズのビシエド打球は、サヨナラの2ランホームランとなって左中間スタンドに吸い込まれた。

これで開幕から18試合連続無失点だったジャクソンが初失点。チームとしても5勝1分けと負けなしだったドラゴンズ戦での初黒星となった。
数字的にはまだ貸しの方が多いものの、こたえた1敗にはちがいない。

8回の登板が定番で、「つぎの回がある」場面では完璧に抑えてきたジャクソンだったが、「あとがない修羅場」での脆さを露呈した格好になった。

ところであの打席、ボックスに入ったビシエドのヘルメットには、広島に本店がある家電大手の「EDION」のロゴが鮮やかにあしらわれていた。

カープと戦うドラゴンズの選手のヘルメットに、このロゴがあることに奇妙な感慨を抱いていたところに、このホームランは飛びだした。

頭がすわったスイングで、このロゴを見せつけるように豪快に弾き返された打球。
その白球にはドラゴンズのこれまでの鬱憤が詰まっているように見えたのは当然としても、サンフレッチェサポーターの怨念もまじっているように見えたのは、ぼくだけだろうか。

                        ✺

いまズムスタを本拠地にしたカープは我が世を謳歌している。
連日満員の盛況。グッズは飛ぶように売れ、いったいどれほど儲かっているのか見当もつかない。

「そんなものファンごときが知らんでもええ」とばかりに、球団はその数字を秘密のベールに包み、その向こうで高笑いしている。
ズムスタの所有者である広島市(つまり広島市民ということだが)も、その身勝手を放任したまま恥じることがない。

ところがエディオンが大スポンサーであるサンフレッチェは、山奥の劣悪な環境ともいえる陸上競技場「エディオンスタジアム」に留め置かれたまま、動員に苦しんでいるのが実情だ。

カープがかつて本拠地にしていた広島市民球場の跡地に新スタジアムをと願いつづけながら、広島市と広島県、また財界やお歴々(お察しください・笑)の非合理的で理不尽で滑稽な抵抗にあって、そのプランは宙に浮いたままだ。

そんな苦境にあるサンフレッチェに対して、同じ広島を本拠地にしている球団であるカープは、まるで他人事のように沈黙を守っている。

否、それどころか球団トップは出来もしない場所につくればいいと、トンチンカンな発言すらしているお寒い状況だ。

何年もつづくこの不毛な議論と理不尽な対応。
行政をはじめとする“抵抗勢力”の茶番劇。

そんなものを長く目にしてきた一市民にすれば、あのビシエドの打球にサンフレ関係者やサボーターたちの怨念が乗り移っていたように見えたとしても、なんの不思議もないだろう。

もちろん独りよがりの錯覚にはちがいないのだが…。(笑




0 件のコメント:

コメントを投稿