2017年5月12日金曜日

あらためて思いいたった黒田博樹の不在

5月11日の試合
広島 001100010-3
東京 0120305X-12

勝 石川3勝3敗 負 福井1勝1敗 

本塁打 エルドレッド8号

ふがいない若手投手陣にかわって11日ぶりに1軍マウンドにあがった福井投手だったが、毎回のように失点を重ねて6回7失点。
先輩の意地を見せることはできなかった。

継投した高橋樹投手も、ようやく“プロの洗礼”を受けることができて2回5失点。
計12失点でカープはスワローズに大敗した。

この大盤振る舞いで、ついにカープのチーム防御率は4.11に急上昇し、かわりに成績はリーグ最低となった。
5月11日の試合で防御率を4.11に帳尻を合わせるとは、「さすがカープ、神ってるね」と黒いジョークのひとつもいいたくなるほど、ここ最近のカープ投手陣のふがいなさは目に余る。

すこし前の低迷期に、また舞いもどってしまったかのような体たらくだ。

チームに勢いがあて勝ちに勝っていたために、こちらも見過ごしていたのだったが、じつはペナントレースの序盤から投手陣は盤石ではなかったということだろう。

打線の援護でなんとか勝ち星を拾いながら持ちこたえてきたようなところがあって、実際は綱渡りをしていたのだった。

ジョンソン、野村をのぞけば、大瀬良、九里、岡田、中村祐という若い投手で組んだローテーション。読めない出来と、のびしろという期待値に期待しすぎたツケがまわってきたとしかいいようがない。

それをいうならどのチームだって盤石ではなく五十歩百歩なのだが、いかんせんこの事実の前にはそう嘆かざるを得ない。
もちろんこのままの成績で終わるとは思いたくはないが、意外に修正は難しいかもしれない。

                        ✱

折も折、ペナントレースの中休みとなるオールスター戦のファン投票もはじまったことでもあるし、ここで現状をおさらいしておくのもいいかもしれない。

チーム成績は、このようになっている

       勝 敗 引 勝率   得点  失点   本 盗 打率   防率
 1位 阪神 20 12 0 .625 140 118 18 17 .255 2.94
 2位 広島 20 15 1 .571 178 161 33 29 .274 4.11
 3位 讀賣 18 15 0 .545 120 104 26 19 .253 2.86
 4位 横浜 16 16 2 .500 128 141 24 12 .246 3.78
 5位 東京 14 20 0 .412 120 134 17 13 .241 3.53
 6位 中日 11 21 3 3.44 108 109 21 19 .243 3.54

問題の防御率を見てみると、カープのみが4点台。最下位のドラゴンズでも3点台中盤で納めていて、カープのそれは異常に高い。

カープをはさんで1位、3位にいるタイガースとジャイアンツの防御率2点台には、目を見張るものがある。
その数字ゆえの上位ということだ。

逆に4.11の数字でカープが2位にいるのが不思議だが、もちろん理由がないわけではない。

打撃成績を見ればそれは一目瞭然。
得点、本塁打、打率ともにカープは突出している。盗塁も29個と他を圧している。
攻撃陣についていえば、まず文句のつけようがない。

とにかく打ちに打ちまくって、なんとかこの地位にカープはいるのだ。
いまチーム内で野手陣と投手陣との間に、気まずい空気が流れているであろうことは容易に想像がつく。

投手陣で防御率ベスト10入りしているのは2.25の野村ひとり。彼につづくのが3.73の岡田、4.10の大瀬良というのだからお寒いとしかいいようがない。

最下位のドラゴンズですら、ベント10にふたり入っているし、首位のタイガースなど、メッセンジャーひとりながら防御率2点台が3人そろっている。

もちろんこの惨状にジョンソンの離脱が大きく響いていることは否めないが、想定外の不可抗力はどのチームにもいえることだろう。

いま沈没している若手投手たちも、結果が出せなかったわけではなかった。
潜在能力はあるはずだ。
それをどのように引き出すか。それは本人の自覚はもちろんだが、コーチ陣の手腕も問われている。

ふと思い返せば、きょねんの優勝を前に東出がコーチ陣に加わり河田コーチが復帰してあきらかにスキルアップした野手陣に対して、投手コーチはほとんど顔ぶれはかわらなかった。

もともとこころもとなかったコーチ陣だったが、黒田がブルペンコーチとして影に日向にピッチングスタッフの精神的な支えとなり技術的なアドバイスをしていた。

それが抜けてしまったのだから元の木阿弥、陣容としてはこころもとないばかりだ。

もしかすると「10勝した黒田博樹」の引退よりも、「影のコーチだった黒田博樹」の不在の方が切実な問題だったのかもしれない。

 












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