5月13日の試合
讀賣 000200000-2
広島 30100106X-11
広島 30100106X-11
勝 岡田4勝1敗 負 マイコラス4勝2敗
本塁打 阿部7号 エルドレッド9号、10号
きれいにボールをとらえ、スムーズにバットを振り抜いてホームランを放ったスイングはどれも美しい。
(この試合で2発のホームランをスタンドに運んだエルドレッドのそれは、豪快過ぎて例外だが)
始動に入ったときのハマった感触。
ジャストミートの躍動感。
フォロースルーの完璧なフォルム。
……。
どのシーンを抜いても、ほれぼれするようなカットになるものだ。
それはゲームにもいえるようで、勝ちゲームの流れというのは美しくもある。
この試合に関しても随所にほれぼれするような場面がちりばめられていた。
スイングでいえば始動にあたる初回。
1アウト一、二塁のチャンスに鈴木選手がアウトローのボールを逆らわずに流し打つ軽打で先制タイムリー。
2アウトを取られてから10試合ぶりにスタメン復帰の松山選手がジャストミートしてセンター前に運んだ2点タイムリーヒット…。
よどみなく先制点を奪った攻撃ぶりには、ついうなってしまった。
3回にはエルドレッドが、規格外のホームランで追加点。
6回には先発の岡田投手にもヒットが生まれる連打でダメ押し。
8回には2アウトから2個の四球を足がかりに6点のビッグイニングをものにした。
まさに「美しい」としかいいようのない試合運びだった。
✱
しかしなんといってもゲームの中で終始際立っていたのは、ゲームを支配していた先発岡田投手のフォームの美しさだった。
「力みなく力む」
本人はそう表現したらしいが、投球にもっとも効果的に伝わるからだの動き、フォームはやはり美しくなるものなのだろう。
岡田投手はけっしてスマートではない。どちらかといえば無骨な体形をしている。
それでもこの日の投球フォームは、美しいものだった。
ゆったりした始動から力をためて深く沈み込んだときの下半身の安定感が、その美しさを支えていた。
前回は筋肉の動きもスムーズではなかったからだろう、突然に乱れ始めたときはフォームもばらばらで、とても美しいものとはいえなかった。
同じ投手なのだから投球フォーム自体は同じなのだが、からだの内に秘めた筋肉の連動の仕方がフォームの印象として微妙に伝わってくるのだろうか。
ホームランの打撃フォームと同様に、いいピッチングをしたときのフォームも美しいものなのだ。
この試合での岡田投手は7回を投げて被安打5、ジャイアンツ4番の阿部には2ランホームランを喫したものの、それで崩れることもなく四球を2個に抑えて2失点でゲームをつくった。
それにしても9点差のリードをひっくり返された歴史的惨敗の失敗でめげるどころか、それをきっちり糧にしてて好投につなげてしまった岡田投手の気持ちの持っていき方。
これこそがもっとも美しいこころの営為だったといえるのかもしれない。
✱
この試合の私的MVPは岡田明丈投手
ところで試合後のヒーローインタビューでは「口べた」な岡田選手に、スタンドのファンから「頑張れよー」の声援が飛んでいた。
それを見て、あの“伝説のヒーローインタビュー”を思い出した。
そのときの心境を当の本人が語っている。
0 件のコメント:
コメントを投稿