5月9日の試合
広島 010000010000-2
東京 000200000001-3
東京 000200000001-3
勝 近藤1勝 負 中田2勝1敗
本塁打 エルドレッド7号 大松1号
菊池が4試合ぶりに復帰。
先発は“最後の牙城”といってもよかった野村だったが、カープは延長12回にサヨナラ負け。
これでシーズン2度目の4連敗となった。
「やばいっす!」
そんな声がどこかから聞こえてきそうだ。
しかし菊池が入ると、さすがにチームはしまる。
8回にゲームを振り出しにもどした同点タイムリーも、彼の“存在証明書”とでもいいたいようなヒットだった。
それまで打ちあぐねて3安打に抑えられていたスワローズ先発のブキャナンからのものだけに、価値ある一発だった。
守備でも6回のバレンティンの打球だったか、センターに抜けそうなゴロに追いつき、振り向き様にスローイングしてアウトを捕ったプレイなどは菊池ならではのものだった。
ただ、そのときの菊池の表情が一瞬こわばったように見えたのは思い過ごしというものだろうか。
間一髪のアウト、セーフを焦ってのもの。
そのときはそう思っていたのだが、どうやらそうでもないらしいという気がしてきた。
また、ゲーム中に見せる彼の表情が終始さえないように見えていたことも気になっていた。
やはり「下半身の違和感」は完全には解消されていないのだろう。
*
某紙の記事によれば、「菊池は3度あった守備機会を無難にこなした」ということになっている。
先のプレイをファインプレイと見るのと、無難にこなしたととらえるのとでは、まったく視点がちがうだろう。
後者はあきらかに、菊池の動きを案じながら見ている。
もちろん、「下半身の違和感」から3試合欠場したのだから、それは当然のことでもあるのだが、その違和感が意外に深刻なものであることが行間から伝わってきたのだ。
長所と短所とは紙一重、表裏一体といわれる。
たとえば肩の稼働域。
これが広い投手は、人並みはずれたスピードボールが投げられる。
しかし稼働域が広すぎることで肩を痛めやすく、ルーズショルダーになる投手はすくなくない。
菊池の場合は優れた下半身の俊敏性、とくに膝の柔軟性があの脅威の守備範囲をもたらしているのだろうから、逆に負担もかかりやすいはずだ。
プロ野球という世界では、選手たちはぎりぎりの限界をさらに超えたところでプレイしている。
またそのようなレベルでなければ、プロには入れない。
当然フィジカルの負担は相当なもので、ほとんどのプロ野球選手は故障を抱えている。
ケガとどう折り合いをつけながらプレイできるかも、才能のひとつといってもいいほどだ。
菊池選手もそのうちのひとり、彼の違和感もそのひとつに過ぎないのだが、ここまで彼の存在感を買ってしまえば正直気がかりではある。
出なければ出ないで不満をいい、出たら出たで心配になっているのだから、勝手といえば勝手なものだ。
*
ところでお隣の東京ドームでは、阪神タイガースが難攻不落だったジャイアンツの“菅野城”を攻略して6連勝。
カープとのゲーム差を2と広げた。
チームの勢いだけを見ればカープとタイガース、すっかり攻守ところを変えてしまった。
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