5月17日の試合
横浜 0000010031-5
広島 0000004000-4
広島 0000004000-4
勝 山崎康1勝1敗2セーブ 負 一岡1勝2敗
本塁打 ウィーランド1号 田中1号
6回までまったく手も足も出なかったベイスターズのウィラードが交替したのに乗じて手にした7回4得点のビッグイニング。
その3点リードを持ち込んでの9回に安部にまさかの暴投、さらに鈴木のタイムリー後逸が重なっての守乱で同点にされ、その勢いのままベイスターズに押し切られての逆転負け。
たしか野村克也氏がどこかの監督をしていた際の試合後のコメントだったと思うが、この試合がまさにそれだった。
不思議な負け方をカープはした。
もちろん敗因はいくつかあるのだろうが、それでもなお負けたことが釈然としないというか、そん印象だった。
先の阪神タイガースとの試合では、9点差をひっくり返されて歴史的な逆転負けを喫している。
この試合は中盤まで9点という大量リードがありながら、それをあっという間に吐き出してのもので“量的”にありえない負けだった。
しかしこの試合は、最後の最後は「鉄板の勝ち流れ」だったのが勝利目前に引っくり返されてのもので、やはり“不思議な負け”としかいいようがない。
マラソンでいえばゴールのトラックに入ったときには後続は誰もいなかったのに、テープを切る寸前に突然に抜かれてしまったようで、面食らうばかりだった。
株はやらないから適切なたとえかどうかはわからないが、9点差をひっくり返された前者の試合は、高止まりしていた優良銘柄が突然とんでもなく下落して全財産をすってしまった感じだったが、この試合は思いも寄らぬラッキーで突然あがった株が、売抜けようとした寸前に大暴落してスッてしまったような落胆とでもいおうか。
思わぬ僥倖で手にしかけていた勝利だっただけに、それがするりと逃げてしまったショックは大きい。
ことにその主役であった大瀬良投手の落胆、いかばかりかと同情を禁じ得ない。
✱
不思議といえば不思議、皮肉といえば皮肉だが、この試合が終わるまではこの試合5番スタメン出場の安部選手のことを書こうと考えていた。
以前にもちょっとふれたが、好調のバッティングについてだ。
まだ規定打席には達していないが、打率.373。もし条件を満たしていれば堂々トップに躍り出る素晴らしい成績。
「守備のひと」とみられていた選手の突然の覚醒と目覚ましい活躍ぶりについて、「イチロー選手に似て来た風貌」に仮託して書いてみようと思っていたのだ。
その安部選手の「守備のミス」からはじまった思いもよらない逆転負けなのだから、なんともいいようのない複雑な思いを、いま味わっている。
✱
これでベイスターズには何度煮え湯を飲まされたのだろうか。
ふがいない投手陣を簡単に打ち崩し、守備のあたふたぶりを突いてビッグイニングをもらいながら、いつの間にか逆転をくらって負けている。
そんな試合をなんども目にしてきたような気がする。
試合のなかでラミレス監督がダッグアウトで見せる悲壮な表情からは、とても逆転などできそうもない雰囲気なのだが、なぜかひっくり返されてしまう。
「指揮官があんなに表情に出すのはどうなのか」と、いつも疑問に思っていたのだが、どうやらこれもカープ不思議な負けの原因のひとつなのではないかと思いはじめた。
「あのラミちゃんの悲壮な表情がくせ者なのではないか?」と。
だいたい指揮官が試合の流れに一喜一憂しては、ベンチが落ち着かない。
負け試合での悲壮な顔など、指揮官みずからが負けを認めるようなもので、決して出してはならないものだろう。
ところがラミレス監督の場合は、どうもちがうようだ。
あの顔を見て選手たちは、「ラミちゃんをなんとかしなくては」と奮起しているのではないか。
7回裏に投手の“継投ミス”でカープが4点取って大逆転したときには、そこまでしょげなくてもいいではないかと励ましたくなるほどラミちゃんは悲しそうな顔をしていた。
「そんな顔をしてたら、選手の士気にかかわるよ」
余裕でそんなことすら思っていた。
ところが試合結果は、ご覧の通り。
あの安部選手のミスを誘ったロペスの三塁強襲ゴロなど、勝利への執念と逆転への気迫が残っていなければ生まれないものだっただろう。
どうも、あのラミちゃんの悲しそうな顔が、期せずして選手にハッパをかけているのではないか。
不思議な負けには、不思議な伏線があったのではないか…。
ラミちゃんが悲しそうな顔をしたときは、要注意だ。(笑
✱
これでカープは信じられない逆転負けと、負けてはいけない試合で不思議な負け方をした。
この2敗がペナントレースで大きな意味を持つことにならなければいいが、と願うばかりだ。
いっぽう首位を走るタイガース。
この日はドラゴンズ相手にしぶとく勝ち越して4連勝、ゲーム差は2・5に広がった。
0 件のコメント:
コメントを投稿