2017年5月19日金曜日

あらためて野球の醍醐味を

5月18日の試合
横浜 200000000-2
広島 42003000X-9

勝 中村祐2勝 負 平良1勝1

本塁打 丸7号 エルドレッド11号

カープ中村祐太、ベイスターズ平良拳太郎と、同じ高卒4年目のドラフト5位指名入団で、ともに今シーズンプロ初勝利をあげたばかりの両投手が先発した。

初回に失点とスタートまで同じだったが、ここからふたりの投手の軌跡がわかれていく。

からだが興奮して抑えがきかずボールをコントロールできなかった中村祐投手は、セットポジションからの投球にきりかえて軌道修正に成功。2回からは散発4安打で6回まで0を並べた。

いっぽうの平良投手は、カープの「強さ」という幻影に圧し潰されて2回にも失点を重ねて自滅していった。

たかが1勝、ただの1敗だが、このひとつの数字の意味がこれからのプロ野球人生に陰影あざないながらふたりについてまわることだろう。

プロ野球という特異な世界、せまい世界に選ばれて入ってくる選手たちには奇縁ともいえる関係性でつながっているケースが少なくない。
そしてそれは、一般のファンにはうかがい知れない不思議で濃密なものだ。

彼らの機縁、巡り合わせがグラウンドで交錯した時、ファンにあるサインを示しているとしか思えないゲームが演出されプレイが出現する。

平良投手はFAでジャイアンツに移籍した山口俊投手の人的補償でベイスターズに入団してきたばかり。
ここでチャンスを得て初勝利を手にしたのだったが、この移籍のタイミングを思うと、2017年5月18日にズムスタで、ふたりが同じマウンドを踏むことになる運命の糸のようなものが見えてくるようだ。

グラウンドの白球の行方ばかりでなく、その背景にあるこんな人間のドラマに思いをはせる。
これもプロ野球観戦の醍醐味だと改めて感じる。

「グラウンドには銭が埋まっている」

とは名将鶴岡一人の名言だが、その言葉を借りれば、

「グラウンドにはドラマがあふれている」








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