広島 000010000-1
東京 010110000-3
東京 010110000-3
勝 石川2勝1敗 負 加藤1勝2敗 セーブ 秋吉2勝0敗2S
前回の試合、あわやノーヒットノーランのときも四球だけは乱発していて81/3回を投げて7つ。
この試合は6回で5つ。
与四球率で言えばほぼ1回に1個で大差はなく、まああれがやっぱり“加藤ルール”なのだといってしまえばそれまでだが、そこに5安打がからめば失点は免れない。
それでも6回3失点のクオリティスタートはクリアしていて、データ的に評価すれば「打線が機能しなかったから負けた」と、そういうことになるのだろう。
ただその打線の弁護をすれば、あれだけマウンドで独り相撲されては、攻撃のリズムを作れない、というか集中してボックスに入るのは難しいだろう。
クオリティスタートと一概にいっても、その3点の“取られ方”にはいろいろあって、それが打線に影響を与えるのは否めない。
4回の失点は、2アウトまで簡単に取りながら下位打線相手に、すっぽ抜けのボールを連発しての連続四球で得点圏にランナーを進めて、そこにコツンと1本タイムリーをくらってのものだった。
この1点がいかにももったいなかった。
さらに、つぎの5回に鈴木誠也のソロホームランで1点差に迫りながら、その裏にすぐにホームランをお返しされて失点しているようでは、打線もいまいち乗れなかっただろう。
7回にまわってきた次の打席で鈴木が、あわや2打席連続かとスタンドをわかせた大ファウルをレフトポール際に打ち上げたが、あれが数十センチそれてしまったのも、最後の当たりがフェンスぎりぎりて失速してしまったのも、いまいち乗れなかった流れと無関係ではなかっただろう。
“加藤ルール”は、そのスタイルに慣れ親しまれてしまうと、独り相撲感がよりいっそうひきたつ。
相手バッターにはバタバタした様子が、「与し易い」という印象を与えてしまうだろう。
「打たれまいと力んで取られる3点も、打ってもらって失う3点も同じだろ。だったらもっと楽に投げてみたらどうだ」
黒田博樹氏がいま同じベンチにいれば、きっとこんなアドバイスをするんじゃなかろうか、そんなことを思いながらマウンドで力みかえって投げている加藤投手を見ていた。
*
どんな荒れ地にも何か作物はできるように、どんな負け試合にも収穫はあるものだ。
この試合でいえば、薮田投手の快投がそれだ。
2点ビハインドの局面、打線は下位だったとはいえ最後のマウンドをたったの8球、三者凡退で料理してみせたのには目を見張った。
そしてマウンドを降りる姿の神々しかったこと。
今年は開幕から成長ぶりがうかがえたが、なにか得体の知れない自信でもつかんだのだろうか、もう10年もクローザーをやってきたような貫禄すらあった。
中崎投手が離脱し、その代役今村投手が前回バタバタしてしまった。
そんなとき、この薮田投手の圧巻の投球が溜飲をさげてくれた。
「クローザー、いけるんじゃないか?」
まさに薮から棒が出てきたような驚きだった。
*
しかし、これでカープは3連敗。
気がつけばひたひたと他チームが追いついて来た、というかカープが失速して巨人、阪神がすぐ背後にせまってきた。
「ペナントレースがつまらなくなるからさ、他チームにはもっと頑張ってちょーだいよ」なんて余裕かましてた頃がなつかしい。
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