広島 010002000-3
横浜 20023002X-9
横浜 20023002X-9
勝 ウィラード1勝 負 加藤1勝3敗 本塁打 梶谷5号 丸3号
戦前の予想は、見事にはずれた。
ベイスターズの一方的な勝ち。圧倒的な勝利に終わった。
このところ、このテの予想や期待はハズレっぱなし。
まるでカープ先発加藤投手の投球のように、なかなかコーナにおさまってくれない。
いうまでもなく試合を壊したのは加藤投手だった。
初回の先制点は1アウトから四球を出してから喫した2ランホームランによるもの。
4回の2点の追加点は2アウトからヒットを挟んで出したふたつの四球で満塁にしてしまってからビッチャーのウィーランドに打たれたタイムリーヒットによるもの。
見事なまでに四球を得点につなげてしまった。
ピッチャーに打たれたタイムリーなどは、四球がいかにまずい流れを生んでしまうかの好例だろう。
これで加藤投手は3連敗。
荒れ球でもなんとか抑える“加藤ルール”は危なっかしくなってきたが、球界の常識ともいえる「四球のあとは得点につながりやすい」という定石は盤石だ。
そのことをこの日の加藤投手は証明してしまった。
ただ加藤投手を擁護すれば、ベイスターズ打線の迫力に「たじろいだ」という側面
もあっただろう。
ルーキーがマウンドで実感するプロの脅威というやつだ。
大学時代までは余裕でいけてた“加藤ルール”が、プロでは通用しない。
球威という『一芸』だけではプロの世界を生き残れない。
そのことをしみじみ痛感しているはずだ。
もちろん彼だってバカではない。頭ではわかってはいるのだろう。
しかし、それを一朝一夕に修正することは難しい。
ことに「全球全力」を信条としてきた彼には、力を抜くという経験すらないだろう。
「全力」と「力む」の感覚的なちがいを体感した経験はないはずだ。
前の試合で好投して2年ぶりに先発勝利をあげた大瀬良投手。
彼も力みを悪いクセと自覚しながら、なかなか修正できなかった。
いずれ加藤投手も試行錯誤しながら、“加藤ルール”から脱却するのは時間の問題だろう。
この予想と期待だけは、はずれてほしくないものだ。
ちょうどこの日、大阪のドーム球場で行われたバファローズとホークスとの試合では、メジャーから6年ぶりにホークスに復帰した川崎が初先発出場して攻守にはつらつとしたプレイでファンを歓ばせた。
「Have fun!(愉しんでいこうぜ!)」
試合前のミーティングで彼はナインにこう声をかけたという。
この言葉をいまの加藤投手にもかけてやりたい、そう思う。
❇
いうまでもなく試合を壊してしまったのは加藤投手だ。
こどもがおもちゃを散らかしたような投球をしてしまったのだが、その後片付けをしなければならない親としての指揮官の対応には疑問が残った。
ウィラード投手にタイムリーを喫した後、トップバッターの桑原にも四球を与えたところで、左腕の飯田を指名し、ここは彼が石川を内野ゴロに抑えてしのいだ。
この4回を終わった時点で1対4。まだまだ勝敗の行方はまったくわからなかった。
ところが、つぎの回も回跨ぎで飯田投手の続投。
ここは梶谷、筒香と左がつづくのでわからなくはないが、1アウト二塁となって右のロペスを迎えても続投させてタイムリーを打たれたばかりか、次打者のエリアンが右打席に入ってもてもそのまま投げさせて、またまたタイムリーの洗礼。
ここで左の倉本にもヒットされ、つぎの左打者の戸柱に致命的な2点タイムリーを喫してしまった。
左打者用のワンポイントに出したはずが回跨ぎ。しかもピンチで右打者を迎えても替えず、左にも通用しないことがわかってもマウンドから降ろすことはなかった。
それで、やらずもがなの3点を献上。これでゲームはほぼ決まってしまった。
序盤で加藤投手が壊してしまったゲームだったが、まだ勝負はわからなかった。
たらればだが、あの局面をうまくしのいでいれば選手の覇気も保っただろうし、ゲームの結果もわからなかった。
散らかしたのは加藤投手だったが、決定的にゲームを壊してしまったのは指揮官だったといえないことはない。
ここまで個人的には緒方監督の用兵にも采配にもそれほど不満はなかったので、すこし残念な気がしてならない。
❇
勢いにのっているときは、ほっておいても勝てる。
いらぬ小細工を弄する必要はない。
ピッチャーが崩れたときの継投。打てないときの采配に指揮官の真価が問われるのはいうまでもない。
緒方監督は昨シーズン、カープを優勝に導いてくれたが、圧倒的なチーム力と怒濤のような勢いで他チームに大差をつけてゴールインしてしまった。
指揮官としての真価を発揮する間もなく、また、問われることもなく結果をだしてしまったといってもいい。
ここまで序盤を戦ってみて、どうやらダンゴ状態で推移しそうな今年のペナントレース。前年覇者の指揮官として、これから真価が問われることになりそうだ。
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