讀賣 120000201-6
広島 01020310X-7
広島 01020310X-7
勝 福井1勝 負 大竹寛2勝1敗 本塁打 中井3号
前日の試合の絞まった投手戦から一転して、この試合はハードパンチャー同士の殴り合いのようなゲームだった。
さすがに首位攻防戦。いろいろな“芸風”で戦える両チームだ。
たとえついでにボクシング風に試合をふり返れば、こんな展開だった。
✱
ゴングが鳴ったと同時に巨人が軽くジャブを放ちながら、鯉の顎にフックをヒットさせた。
鯉がふらつく間に、さらにワン・ツーを見舞って、序盤からポイントをかせぐ。
それからはしばらく両者とも攻めあぐねていたが、こんどは鯉が巨人のストレートをかわして放ったカウンターが巨人の顔面を捉える。
しだいに巨人との距離感をつかんだ鯉が、すーっと懐に飛び込んで勝負をかける。
ワンツーの連打が顔面とボディーを捉えた。
巨人の足が止まり、倒れ込むようにコーナーに逃げる。
鯉が素早く足を運んで追いつめるとボディーからチンへ、チンからボティーへと攻め立てた。
そして、フィニッシュブローに繰り出したアッパーカット。
これをなんとかかいくぐってコーナーから逃れた巨人が、鯉が反転する隙をついて得意のフックを顎にねじ込んだ。
するとすかさず鯉も、軽打を返してラッシュする。
巨人は防戦一方になった。
右に左に逃げながら、鯉のパンチをかわす。
鯉はダウンを奪おうと強打を連発するが、なかなかヒットしない。
そのうちの一発をうまくかわした巨人が、カウンターのフックを繰り出す。
これを顔面にヒットされた鯉の足が、一瞬よろめいた。
その隙をとらえて巨人がラッシュをかけようとしたそのとき、非情にもゴング…。
これで試合は終了。
鯉の判定勝ち。
✱
とまあ、こんなところだろうか。
とにかく息をつかせぬ攻防に、目が離せない面白い試合だった。
8対7が1番面白いといわれる野球の展開。その典型的な流れの試合だった。
この試合でボクサー役だったのはいうまでもなく、先発の福井投手だった。
彼はこの日出場選手登録されたばかりで、今季初先発。
2軍でもそれほど調子がよかったわけでもなく、過去のジャイアンツとの相性を買われての抜擢だったようだが、その相性のよさを発揮する間もなく、試合開始早々ボコボコに連打されてダウン寸前まで追い込まれてしまった。
しかし、打たれ強いというのか、福井は倒れなかった。
相性はやはり生きていたというべきだろう。
6回までなんとかもちこたえて、代打降板したところでカープが大反攻して巨人を突き放し、勝利投手となってしまった。
ツキや運も実力のうちというが、相性も実力のうちだ。
これでカープは、この首位攻防戦での首位確保を決めた。
この試合でも新井はベンチスタート。総力戦になったときに「手をつくせる」層の厚さを見せつけての勝利だった。
✱
スタメンから新井をはずしていることについて緒方監督は「(休養ではく)調子が悪い選手はつかわない」との考えからだといっているらしい。
それが真意だとすれば、ちょっと残念だ。
4番打者は調子デンデン、じゃなかった、うんぬんで外すべきではないように思う。
そこは積極的に「鈴木4番移行への布石」という思考であってほしい。
前者と後者とでは、チームの意識付けがまったくちがうように思うのだ。
またファンとしても、それが積極的な選択であってほしいと願う。
この試合の私的MVPは会沢翼選手
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